AMR導入を成功に導く、費用対効果保証プログラムと充実のカスタマーサクセス -ラピュタロボティクスのピッキングアシストAMR特集・後編-

  • 2023年1月24日
  • 2023年2月17日

物流ロボットとして導入事例が増えているピッキングアシストAMRの、国内シェアNo.1(2020年~2022年の3年連続)のラピュタロボティクス社についての特集記事、後編です。

前編では、ラピュタロボティクスのピッキングアシストAMRについて、技術面、機能面でどのような強みがあるのかということにフォーカスした内容を取り上げました。

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今回はピッキングアシストAMRで国内シェアNo.1のラピュタロボティクス社に、その強みや今後の展望などを様々インタビュー…

今回の後編では、技術面、機能面で優れたソリューションであることを踏まえて、その効果を確実に発揮するために同社が提供している導入プログラムの内容や、カスタマーサクセスの充実度合いについて取り上げたいと思います。

ラピュタロボティクスのホームページ

ラピュタロボティクス「PA-AMR」のプロモーション動画

前編に引き続き、ラピュタロボティクスの森 亮さん(ラピュタロボティクス株式会社 執行役員 ビジネス統轄)に、インタビューにご協力いただきました。

ラピュタ森さん

費用対効果を保証してAMR導入のハードルをぐっと下げる、安心のプログラムを提供

トラロジ
前編では、AMRの機能面のメリットと共にラピュタロボティクスの強みについてお話を伺ってきました。続きまして、ビジネス面やサポート面と言いましょうか、お客様がAMRの導入を検討し、実際に導入して活用を始めるまでの間に、機能そのもの以外で、ラピュタロボティクスとしてどのような取り組みを行われているかお話を聞いていきたいと思います。
ラピュタ森
ビジネス面、サポート面では大きな特長が2つあります。いずれも、お客様にAMR導入のメリットを確実に獲得していただくためのものです。
1つ目は、AMRの導入にあたってお客様側に存在するリスク、要は導入効果が得られないかもしれないという不確実性を抑制することを目的とした導入プログラムの提供です。
2022年6月からAMRのサブスク利用について「費用対効果保証プログラム」の提供を開始しました。ほとんどのお客様は初めてAMRを導入されます。導入効果への期待は大きいが、本当に上手く効果が出るかどうか不安もまた大きい。この不安を解消することを目的としています。AMRの導入前に導入内容や効果について詳細なシミュレーションをした上で、目標とする生産性を設定します。導入後、もしこの目標を達成できなかった場合はその分、AMRのサブスク料金が減額されます。そのためお客様は、目標の生産性にさえご納得いただければ安心してAMRの利用を開始していただけることになります。
AMR導入のハードルをぐっと下げる、安心のプログラム 費用対効果保証プログラム
ラピュタ森
さらに、「体験「本」導入プログラム」も提供しています。体験なのか本導入なのか、どっち?と思われそうなのですが、まさにそういうニュアンスで、体験だけど本番!というものです。よく行われるPoC(Proof of Concept =概念実証)は、どうしてもお試しという性格が強くなってしまいがちで、徹底した活用が行われず、決め手に欠けて途中で止まってしまうことも多いと感じています。それよりももっと真剣に、本番として1.5ヶ月間、AMRを使って業務を運用していただき、その間にラピュタとしても導入効果を証明するので、期待通りの効果を感じられたらそのまま利用を続けていただく、というのが「体験「本」導入プログラム」です。体験ではあるためWMS等とのシステムインテグレーションまでは行わず、バッチ形式でAMRにデータを連携してAMRを動かすことになります。
AMR導入のハードルをぐっと下げる、安心のプログラム 体験「本」導入プログラム(1/2)
AMR導入のハードルをぐっと下げる、安心のプログラム 体験「本」導入プログラム(2/2)
トラロジ
たしかに、AMRを活用すると、業務の運用内容や体制が従来と大きく変わりますし、すごく生産性が上がりそうだと期待が高まる反面、自身の現場の業務内容や規模に当てはめた時に本当に効果が出るだろうかと確証が持ち切れない部分も残るかもしれないなと感じていました。このような手厚いプログラムがあると、導入のハードルがぐっと下がりますね。

ラピュタ森
そうですね、このプログラムによって以前より更に前向きにAMRの導入を検討していただけるお客様が増えたと感じています。私たちも、導入経験を積み重ねることで自信を持って導入効果をコミットできるようになりました。

お客様を確実な成功に導く、徹底したカスタマーサクセス

ラピュタ森
ビジネス面、サポート面の特長の2つ目は、お客様がAMR導入の効果をしっかりと獲得されるまで伴走し、その現場にフィットするようチューニングや改善を続ける、いわゆるカスタマーサクセスの充実です。
カスタマーサクセスのチームが各お客様に密着して、確実に、かつ早く導入効果を上げられるよう現場にソリューションをフィットさせ、定着させていきます。当社を選択していただいたお客様からは、このカスタマーサクセスの面で海外発のソリューションよりも安心感がある、という声をいただくことが多いです。
トラロジ
日本発のソリューションで、その提供者であるラピュタさんご自身がカスタマーサクセスに注力されているというのはたしかに安心感がありますね。カスタマーサクセスの具体的な内容を教えていただけますか。
ラピュタ森
カスタマーサクセスチームが週1回、定期的にお客様を訪問して課題やその解決状況の確認など、定例的なコミュニケーションを行います。コミュニケーションの頻度はおおよそ週1回程度になると思われます、導入の初期はフィードバックと改善を短いサイクルで繰り返すためもっと頻度が高くなりますし、ある程度定着してきますとやや頻度を落としていくことになります。週1回というと多いと感じられるかもしれませんが、当社はそのくらいのスピード感でお客様からいただいた声についてすぐに検討し、AMRを活用した業務運用の改善提案を行っていきます。
そして四半期毎に1回、お客様と当社の合同で大規模なレビュー会を行い、その四半期の総括を行うと共に、それ以降の目標設定や活動計画を共有します。
こういったコミュニケーションの中で、当社は常にプロアクティブに改善提案を行っていくスタイルを徹底しています。受け身になってお客様から課題を提示されるのではなく、こちらからお客様の課題を抽出し、お互いに必要な変化を促していきます。このスタイルを貫き通すためには、ソリューションの内容を改善し続けられる技術力はもちろんですが、お客様に引けを取らないレベルで物流業務に精通していることも求められます。当社のカスタマーサクセスチームには物流業務に詳しいメンバーも揃っており、お客様の業務プロセスもよく理解した上で、AMRの最適な活用方法を提案していきます。
トラロジ
それはすごい😮お客様の方が押されてしまう、前のめりと言っていいくらいの勢いですね。
ラピュタロボティクスの徹底したカスタマーサクセス

カスタマーサクセスを通して集まるお客様の声が、ソリューションの進化を加速

ラピュタ森

カスタマーサクセスに注力しているので、お客様からのフィードバックが本当に沢山集まってきます。この中から、特定のお客様に限らずどこでもメリットがあると考えらえる内容を優先してソリューションに反映していっています。例えば以下の機能やサービスは、お客様の声をきっかけに生まれたものですね。
・ピッカーガイダンスシステム。AMRが次のピッキングロケーションをサジェストする機能。
・折り畳みコンテナに加えて、段ボールの搭載にも対応。
・防火シャッター連携。防火アラームが鳴ると、防火シャッターの下にAMRがいることがないよう自動的に移動させる。防火アラームのシグナルとAMRの制御を連携することで実現。
・作業者個人毎の生産性をトラックしダッシュボードに表示する機能。

個別のお客様のご要望に手厚い対応をすることを通して、ソリューションを進化させることができます。それが他のお客様に対してもより品質の高いソリューションを提供することにつながるという好循環が生まれています。

カスタマーサクセスを通して集まるお客様の声が、ソリューションの進化を加速

トラロジ
まさに痒い所に手が届く、細かいかもしれないけど実は重要な機能たち、という感じですね。また、このような改善を重ねられるラピュタさんは、体制に厚みがありサポートレベルが高いんだなという安心感もありますね。

ラピュタロボティクス社の今後の展望

トラロジ
最後に、可能な範囲で今後の展望についてお聞かせください。
ラピュタ森
公表している情報としては、リリースしたばかりの大きなサイズのAMR「PA-AMR XL」に加えて、自動運転のフォークリフトの提供がありますね。それから、日本発のベンチャーとして海外に展開していく計画もあります。まずはアメリカに、2022年中にはテスト進出、2023年に本格進出する計画です。
ラピュタロボティクスは、ロボットソリューションを提供するだけでなく、ロボットをより効果的に、効率的に活用するためのプラットフォーム(複数台のロボットを効果的に動かすための頭脳のようなもの)の提供を目指しています。当社自身が提供するロボットのラインナップが増えると、それらのロボット同士がスムーズに連携しつつ、対応できる業務プロセスや荷物の種類が広がります。さらに、他社製のロボットやマテハンにも対応して、それらも連携させることができるようになっていきます。同じプラットフォーム、いわば同じ頭脳で全てのロボットやマテハンを最適に連携させて、生産性の高い業務プロセスを容易に構築することができる、このような姿に近づいていきます。
トラロジ
ありがとうございます。ロボットやマテハンがみんな簡単に連携する未来に、海外展開にと楽しみがてんこ盛りですね。今後の発展にますます期待しています!今回はありがとうございました。

編集後記

ラピュタロボティクスの森さんに、お忙しい中でかなりこってりとお話をうかがうことができて大変ありがたかったです。AMRについて、技術面で優れたソリューションであることはもちろんですが、それを業務にフィットさせていくカスタマーサクセスであったり、成果報酬型の導入プログラムであったりと、打ち手が本当に豊富で、組織としての充実ぶりを感じます。森さん以外にもラピュタロボティクスの方々にお会いしてお話していますが、皆さん、なんというかシュっとしてて優秀そう、なんですが、成果にコミットされている熱量も感じさせる、素敵な方々がそろっているという印象です!

AMRもそうですし、様々なロボットやマテハンが簡単に効率的に連携するというビジョンとなると更に、今後もっともっと成長するマーケットなので、その中でラピュタロボティクスさんがどう展開されていくか楽しみです。

また、アメリカへの進出も興味深いですね。(アメリカの物流現場の実情を詳しくは知らないんですが・・・😑おそらく)より緻密であろう日本で育ったソリューションは、アメリカではもっと大きな効果を発揮するかもしれません。人件費もアメリカの方が高いので、その意味でも効果が大きそうですね。アメリカでのご活躍もお祈りしたいと思います。

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