ラピュタロボティクスのピッキングアシストAMRはなぜ選ばれる? 最新の強みや導入成功の秘訣を徹底インタビュー

  • 2024年4月3日

2021年以降頃から、ピッキング用搬送ロボット(※)の一種であるピッキングアシストAMR(Autonomous Mobile Robot=自律走行搬送ロボット)の導入事例が増えています。
※「ピッキング用搬送ロボット」は、トラロジ独自の調査と考察に基づいて試みたロボットの分類の1つです。様々な種類の物流ロボットを整理・分類した記事はこちらをご覧ください。

🐯あわせて読みたい🐯

[最新の更新内容]ソリューションの紹介にラピュタASRS、Airrobを追加しました。 -------------------------------------------------------------- 前回の記事では[…]

ピッキング業務で活用されるロボットの種類

先日の記事では、物流領域におけるこのピッキングアシストAMRというソリューションの内容を概観し、そのメリットについて掘り下げました。

🐯あわせて読みたい🐯

トラロジでは、物流DXで注目されるソリューションのひとつである物流ロボットについて様々取り上げています。今回は物流ロボットの一種である「ピッキングアシストAMR」を特集する記事です。他のロボットソリューションと比較してより小さな投資で、生産[…]

今回はピッキングアシストAMRで国内シェアNo.1のラピュタロボティクス社に、その強みや今後の展望などを様々インタビューし、さらにAMRについての理解を深めたいと思います。ラピュタロボティクスのピッキングアシストAMRについて次のような内容を幅広く、そして深く伺っています。
・技術や機能の面で具体的にどのような強みがあるのか
・ソリューションとして何が優れているのか
・AMRの導入にあたってのプログラムの在り方
・カスタマーサクセスの内容など、ソリューションの導入効果をより確実なものにするための取り組み内容

目次

ラピュタロボティクスのホームページ

https://www.rapyuta-robotics.com/ja/

ラピュタロボティクス「PA-AMR」のプロモーション動画

今回の特集ではラピュタロボティクスの森 亮さん(ラピュタロボティクス株式会社 執行役員 ビジネス統轄)に、インタビューにご協力いただきました。

ラピュタ森さん

インタビュー開始!

トラロジ
ラピュタロボティクス森さん、今回はインタビューの機会をいただきましてありがとうございます!しかも、とてもお忙しい時に。(実はこのインタビューは2022年9月の国際物流総合展において、ラピュタロボティクスの展示ブースの裏、控室をお借りして実施しました。華やかな展示の裏はすごく狭かったです😅、お見せ出来ませんが。表のブースは大盛況でした。)
ラピュタ森
こちらこそありがとうございます。国際物流総合展では本当に沢山のお客様が当社のブースに足を運んでくださっています。ちょうどこのタイミングで今までよりもサイズの大きい75リットルコンテナを搭載できるPA-AMR XLを発表することができましたし、皆様に高い関心を寄せていただいているという手応えがありますね。

物流展のラピュタロボティクス社ブースの様子

2022年総合物流展 ラピュタロボティクス ブース
2022年総合物流展 ラピュタロボティクス展示

新しく発表された「PA-AMR XL」

PA-AMR XL Rapyuta robotics

国際物流総合展での「PA-AMR XL」展示の様子

国際物流総合展での「PA-AMR XL」展示の様子 Rapyuta robotics

PA-AMR XLの紹介ページ

https://www.rapyuta-robotics.com/ja/solutions-pa-amr-xl

ラピュタロボティクスの何が凄い?シェアNo.1で、全てのユーザーが継続利用中。まずはこの実績そのものが一番の説得力に

トラロジ
早速、色々とお話をうかがっていきたいと思います。ラピュタロボティクスは、市場調査レポート「サービスロボットソリューション市場展望」(デロイト トーマツ ミック経済研究所)のピッキングアシストAMRカテゴリーにおいて、2021年度実績でシェア1位の49%を占め、2022年度見込みでも同じく1位の46.2%とされており、2019年から3年連続でシェアNo.1とされています。
ピッキングアシストAMRの市場シェア 2021年度(売上高ベース)
「サービスロボットソリューション市場展望」(デロイト トーマツ ミック経済研究所): https://mic-r.co.jp/mr/02360/
トラロジ
ラピュタロボティクスの強みはどこにあり、ユーザーからどのように評価されているとお考えですか?
ラピュタ森
まずは当社の実績そのものがお客様に対する説得力になっていると思います。国内でこれまでの導入台数が最も多く、全てのお客様がずっと継続利用してくださっています。物流ロボットは全体で見ればまだまだ普及しているとは言えず、実証実験にはトライするものの実用には進まずにストップしてしまったり、結局は人の作業の方が速いと判断されてしまったりしがちです。ラピュタロボティクスのAMRは実際に導入されて、利用し続けられている。このことがシンプルにお客様の信頼につながっていると感じます。
公表している導入事例としては、日本通運様に15台、佐川グローバルロジスティクス様の柏センターに11台、同堺センターに13台、京葉流通倉庫様に30台、アスクル様に34台導入しています。他にも10社以上の導入実績があり、2022年の最近では1ヶ月に2、3件くらいのペースで成約案件が発生しています。
トラロジ
月に2、3件とはかなりのハイペースになっていますね。それだけ採用が続いて、しかも継続しているということは、当然ながらソリューションがそれだけの成果を出して、ユーザーの満足度が高いということですよね。

AMRのメリットとラピュタの強み① 業務の生産性向上

「群制御」が生産性向上のカギ。群制御がないのは、「指揮者のいないオーケストラ」😱と同じ

トラロジ
ラピュタロボティクスのAMRの、技術面や機能面の優位性、強みはどこにあるとお考えですか?トラロジでは以前の記事(ピッキングアシストAMRを活用するメリットを徹底考察)で、AMRのメリットを次のように整理しており、ここではこの整理になぞらえながらお話を伺って行きたいと思います。
まずはこの中の①「業務の生産性が上がる」に関連するような強みについてお聞かせいただけますか。
ピッキングアシストAMR導入のメリットまとめ
ラピュタ森
ラピュタロボティクスは日本の倉庫現場に合わせて、日本のお客様の高い要求水準に合わせてソリューションの内容を発展させてきました。何度も何度も改善・改良を積み重ねてきた結果として、現在では相当な強みを持つに至っていると自負しています。その中でも最も重要な強みは、ロボットの「群制御」技術だと考えています。これは生産性の向上に大きく貢献するもので、この群制御がなければ、対象とする業務が複雑(アイテムが多い、作業者の人数が多い、ロボットの台数が多いなど)になるほど、生産性が極端に落ちてしまいます。
トラロジ
群制御というと、言葉から大体のイメージは湧くのですが🤔・・・具体的にはどのような内容になりますか?
ラピュタ森
例えて言うならば、群制御が無いことは「指揮者のいないオーケストラ」のようなものかと思います。音の強弱やリズムがバラバラになってしまってハーモニーせず、美しい音楽にならない。これと同じようなことです。
群制御があることで、全てのロボットが同じ地図を共有して、お互いの位置を把握し、走行ルートを譲り合ったり、ピッキングの順番を調整したりできるので、スムーズで効率的な動きが実現されます。作業の進捗状況もリアルタイムに管理して、ロボットおよび人のリソースを最適に活用して最短時間で作業を終えられるよう、AIが作業の割り当てや順番をコントロールしていきます。もし群制御が無ければ、それぞれのロボットが単純に自身の仕事だけを進めようとするため、ルートが重なってスタックしてしまったり、同じ場所にロボットが集中したりして、生産性を低下させてしまうことになります。
ラピュタロボティクスのピッキングアシストAMR 「群制御」技術が実現する効率的な業務のイメージ
トラロジ
なるほど、人との協調型ロボットとも呼ばれるAMRの運用には群制御は不可欠な技術なわけですね。わかりやすい説明をありがとうございます。

最小通路幅90cm、ピッキング順序のサジェストといったきめ細かな機能が生産性向上に貢献

トラロジ
「業務の生産性が上がる」という観点では、他にはどのような強みをお持ちでしょうか?
ラピュタ森

AMRが走行するラック間の最小の通路幅を、90cm(AMRが一方通行する場合。すれ違う場合は150cm)と出来ている点も特長かと思います。AMRがそのサイズ(オリコンの搭載:50リットル×2もしくは10リットル×4)も考慮して、移動の効率を損なわないギリギリの設定としています。これより狭くすることも可能ではあるのですが、AMRの移動効率が下がってしまい逆にバランスが悪くなりかねないため、90cmが最適と判断しています。90cmであれば、一般的な棚の設置レイアウトとそう大きく変わるものではないと思います。新しくリリースしたPA-AMR XLも、従来より大きなサイズですが、通路幅は30cmだけ増えて120cmで運用できるようにする計画です。

それから、細かいですが痒いところに手が届くとして好評なのが、AMRがピッキング順序をサジェストする機能で、「ピッカーガイダンス」機能というものです。ある1台の、ピッキング待ちのAMRについてピッキングを終えた後、そのAMRが、作業者は次にどのロケーションへ(どのAMRの所へ)移動するのがよいかというサジェスチョンを表示してくれます。ピッキング待ちで止まっているAMRであればどれでも作業対象にはできるのですが、全体の状況と生産性を考慮して、その中でも最もよいものをピンポイントで教えてガイドしてくれるという機能です。作業者の移動と作業順序に無駄が無くなり、更に生産性が向上します。

ラピュタAMR ピッカーガイダンス機能、ピッキング順序のサジェスト

AMRのメリットとラピュタの強み② 業務マネジメントの精度向上

充実のダッシュボードでAMRを活用した業務運用を管理

トラロジ
続いて、AMRのメリット②「業務マネジメントの精度が上がる」に関連しそうなラピュタロボティクスの特長を教えていただけますか。
ラピュタ森
AMRのメリットとして次のように整理されていますが、ラピュタロボティクスのソリューションではこういったマネジメントに役立つ機能も充実しています。
②-1 業務の進捗や生産性をリアルタイムに、わかりやすく把握できる
②-2 波動対応に強くなる
②-3 データに基づく継続的な改善をしやすくなる

ダッシュボード画面を提供しており、ここでリアルタイムに業務の進捗状況や生産性、ロボットの稼働状況や配置など、AMRを活用した業務運用を管理するために必要な情報を一通り確認することができるようになっています。ダッシュボードで業務の遅れや何らかのエラーに気づいたら、管理者は必要な対策を判断して実施することができます。
AMRおよびその業務を管理するダッシュボードの例1
AMRおよびその業務を管理するダッシュボードの例2

AMRおよびその業務を管理するダッシュボードの例 AMRの配置/動きのリアルタイムなトレース

業務量の波動に合わせたAMRの短期レンタルサービスも提供

ラピュタ森
AMRのお客様向けに、短期(3ヶ月)レンタルサービスを試験的に拡充して、業務量の波動、特に業務量が増える繁忙期への対応を更に簡単にできるメニューを揃えていることも、ラピュタロボティクスの特長です。
AMRを導入されるお客様の多くは、繁忙期ではなく通常時の業務量に合わせて、その業務量を高い生産性でこなせるようAMRの台数を設定されています。例えば従来は20名で行っていた業務をAMR導入後は10名で回せるようになる、そのような効果があります。
ただし、業務量が増える繁忙期にはAMRの台数が足りなくなってしまうので、その分は作業員を増員して対応しなければなりません。この増員を軽減して繁忙期をも楽に乗り切ろうというのが、短期レンタルサービスの狙いです。そのままだと10名の増員が必要だったのが、AMRを短期レンタルできることで5名で済む、というような対応ができるようになります。業務量の繁閑に合わせて利用するAMRの数を調整していただいて、AMR導入の効果を更に大きくしていただきたいと考えています。
トラロジ
繁忙期を楽に乗り切れるというのはホントにありがたいですね!よく言われるロボットの特長として、利用規模を柔軟に調整しやすいというものがあると思いますが、それを数か月という短期でも出来るというのは非常に利便性が高いですね。

ラピュタロボティクスのピッキングアシストAMRを活用した波動対応のイメージ 短期レンタルの活用で繁忙期にも少人数で対応

AMRのメリットとラピュタの強み③ 作業員の負担軽減

AMRを使えば作業員の仕事が本当に簡単で楽になる。しかも安全性にも死角なし!

トラロジ
続いて、AMRのメリットの最後の1つ、③「作業員の負担が軽減される」についてお伺いします。具体的なメリットとして次の3つが挙げられています。ラピュタロボティクスのAMRは、私も少し作業体験をさせていただきましたが、このメリットを全てバッチリ満たしていて、すごく簡単だし楽な作業になるなと感じています。
③-1 台車を押して長い距離を移動しなくてよい
③-2 手ぶらで作業ができる
③-3 難しいことを覚える必要がなく簡単に作業ができる

 

ラピュタ森

そうですね、作業の簡単さ、楽さについては、お客様からの貴重な意見も多数いただきながら根気強く改善を重ねてきた甲斐もあり、現在は多くのお客様にご満足いただける仕上がりになっていると思います。AMRを使う業務に慣れてしまうと、もう元の、ハンディや手押し台車を使うような業務には戻れない、という嬉しいような、一方でちょっと怖いような声も耳にします😅。生産性も向上するため、簡単で楽な仕事が、しかも早く終わります。心身共にストレスが軽減されて、職場環境が良好に感じられ、前向きな改善のための活動が誘発されてくるなど、思った以上によい影響が生まれてくるようです。

その上で、もう1つラピュタロボティクスの強みと考えているのが安全性の高さです。サービス提供開始から今まで2年半の間、事故は一件も起きていません。それだけ十分な安全対策の機能を備えています。周囲の人や障害物を認識するための高性能なカメラを2つ、そしてLiDARセンサ(LiDAR=Light Detection And Ranging 光を照射して対象物とその距離を測定する)を2つ搭載しており、周囲および高い所から低い所まで全ての状況を、死角なく捉えて把握します。人や障害物が近づけば確実に止まり、ぶつからないルートを探して迂回するようになっています。

トラロジ
たしかに、ラピュタさんのAMRには人の方が意図的に体当たりでもしない限り、ぶつかろうと思ってもぶつかれなさそうでしたね。また、AMRがぶつからないと判断した場合には、けっこう狭いルートでもスルスルと進んでいきますよね。安全だけどなかなか攻めたルートを通るんだな😮と思いました。空間を認識する精度も、その空間を正確に走行する精度も、どちらも凄いですね。
ラピュタロボティクスのピッキングアシストAMR 万全の安全対策で、サービス提供から無事故を継続
トラロジ
ここまでお伺いしてきましたラピュタロボティクスの強みを、ピッキングアシストAMR導入のメリットと関連付けて整理します。
ピッキングアシストAMR導入のメリットとラピュタロボティクスの強み

費用対効果を保証してAMR導入のハードルをぐっと下げる、安心のプログラムを提供

トラロジ
ここまでは、AMRの機能面のメリットと共にラピュタロボティクスの強みについてお話を伺ってきました。続きまして、ビジネス面やサポート面と言いましょうか、お客様がAMRの導入を検討し、実際に導入して活用を始めるまでの間に、機能そのもの以外で、ラピュタロボティクスとしてどのような取り組みを行われているかお話を聞いていきたいと思います。
ラピュタ森
ビジネス面、サポート面では大きな特長が2つあります。いずれも、お客様にAMR導入のメリットを確実に獲得していただくためのものです。
1つ目は、AMRの導入にあたってお客様側に存在するリスク、要は導入効果が得られないかもしれないという不確実性を抑制することを目的とした導入プログラムの提供です。
2022年6月からAMRのサブスク利用について「費用対効果保証プログラム」の提供を開始しました。ほとんどのお客様は初めてAMRを導入されます。導入効果への期待は大きいが、本当に上手く効果が出るかどうか不安もまた大きい。この不安を解消することを目的としています。AMRの導入前に導入内容や効果について詳細なシミュレーションをした上で、目標とする生産性を設定します。導入後、もしこの目標を達成できなかった場合はその分、AMRのサブスク料金が減額されます。そのためお客様は、目標の生産性にさえご納得いただければ安心してAMRの利用を開始していただけることになります。
AMR導入のハードルをぐっと下げる、安心のプログラム 費用対効果保証プログラム
ラピュタ森
さらに、「体験「本」導入プログラム」も提供しています。体験なのか本導入なのか、どっち?と思われそうなのですが、まさにそういうニュアンスで、体験だけど本番!というものです。よく行われるPoC(Proof of Concept =概念実証)は、どうしてもお試しという性格が強くなってしまいがちで、徹底した活用が行われず、決め手に欠けて途中で止まってしまうことも多いと感じています。それよりももっと真剣に、本番として1.5ヶ月間、AMRを使って業務を運用していただき、その間にラピュタとしても導入効果を証明するので、期待通りの効果を感じられたらそのまま利用を続けていただく、というのが「体験「本」導入プログラム」です。体験ではあるためWMS等とのシステムインテグレーションまでは行わず、バッチ形式でAMRにデータを連携してAMRを動かすことになります。
AMR導入のハードルをぐっと下げる、安心のプログラム 体験「本」導入プログラム(1/2)
AMR導入のハードルをぐっと下げる、安心のプログラム 体験「本」導入プログラム(2/2)
トラロジ
たしかに、AMRを活用すると、業務の運用内容や体制が従来と大きく変わりますし、すごく生産性が上がりそうだと期待が高まる反面、自身の現場の業務内容や規模に当てはめた時に本当に効果が出るだろうかと確証が持ち切れない部分も残るかもしれないなと感じていました。このような手厚いプログラムがあると、導入のハードルがぐっと下がりますね。
ラピュタ森
そうですね、このプログラムによって以前より更に前向きにAMRの導入を検討していただけるお客様が増えたと感じています。私たちも、導入経験を積み重ねることで自信を持って導入効果をコミットできるようになりました。

お客様を確実な成功に導く、徹底したカスタマーサクセス

ラピュタ森
ビジネス面、サポート面の特長の2つ目は、お客様がAMR導入の効果をしっかりと獲得されるまで伴走し、その現場にフィットするようチューニングや改善を続ける、いわゆるカスタマーサクセスの充実です。
カスタマーサクセスのチームが各お客様に密着して、確実に、かつ早く導入効果を上げられるよう現場にソリューションをフィットさせ、定着させていきます。当社を選択していただいたお客様からは、このカスタマーサクセスの面で海外発のソリューションよりも安心感がある、という声をいただくことが多いです。
トラロジ
日本発のソリューションで、その提供者であるラピュタさんご自身がカスタマーサクセスに注力されているというのはたしかに安心感がありますね。カスタマーサクセスの具体的な内容を教えていただけますか。
ラピュタ森
カスタマーサクセスチームが週1回、定期的にお客様を訪問して課題やその解決状況の確認など、定例的なコミュニケーションを行います。コミュニケーションの頻度はおおよそ週1回程度になると思われます、導入の初期はフィードバックと改善を短いサイクルで繰り返すためもっと頻度が高くなりますし、ある程度定着してきますとやや頻度を落としていくことになります。週1回というと多いと感じられるかもしれませんが、当社はそのくらいのスピード感でお客様からいただいた声についてすぐに検討し、AMRを活用した業務運用の改善提案を行っていきます。
そして四半期毎に1回、お客様と当社の合同で大規模なレビュー会を行い、その四半期の総括を行うと共に、それ以降の目標設定や活動計画を共有します。
こういったコミュニケーションの中で、当社は常にプロアクティブに改善提案を行っていくスタイルを徹底しています。受け身になってお客様から課題を提示されるのではなく、こちらからお客様の課題を抽出し、お互いに必要な変化を促していきます。このスタイルを貫き通すためには、ソリューションの内容を改善し続けられる技術力はもちろんですが、お客様に引けを取らないレベルで物流業務に精通していることも求められます。当社のカスタマーサクセスチームには物流業務に詳しいメンバーも揃っており、お客様の業務プロセスもよく理解した上で、AMRの最適な活用方法を提案していきます。
トラロジ
それはすごい😮お客様の方が押されてしまう、前のめりと言っていいくらいの勢いですね。
ラピュタロボティクスの徹底したカスタマーサクセス

カスタマーサクセスを通して集まるお客様の声が、ソリューションの進化を加速

ラピュタ森

カスタマーサクセスに注力しているので、お客様からのフィードバックが本当に沢山集まってきます。この中から、特定のお客様に限らずどこでもメリットがあると考えらえる内容を優先してソリューションに反映していっています。例えば以下の機能やサービスは、お客様の声をきっかけに生まれたものですね。
・ピッカーガイダンスシステム。AMRが次のピッキングロケーションをサジェストする機能。
・折り畳みコンテナに加えて、段ボールの搭載にも対応。
・防火シャッター連携。防火アラームが鳴ると、防火シャッターの下にAMRがいることがないよう自動的に移動させる。防火アラームのシグナルとAMRの制御を連携することで実現。
・作業者個人毎の生産性をトラックしダッシュボードに表示する機能。

個別のお客様のご要望に手厚い対応をすることを通して、ソリューションを進化させることができます。それが他のお客様に対してもより品質の高いソリューションを提供することにつながるという好循環が生まれています。

カスタマーサクセスを通して集まるお客様の声が、ソリューションの進化を加速

トラロジ
まさに痒い所に手が届く、細かいかもしれないけど実は重要な機能たち、という感じですね。また、このような改善を重ねられるラピュタさんは、体制に厚みがありサポートレベルが高いんだなという安心感もありますね。

ラピュタロボティクス社の今後の展望

トラロジ
最後に、可能な範囲で今後の展望についてお聞かせください。
ラピュタ森
公表している情報としては、リリースしたばかりの大きなサイズのAMR「PA-AMR XL」に加えて、自動運転のフォークリフトの提供がありますね。それから、日本発のベンチャーとして海外に展開していく計画もあります。まずはアメリカに、2022年中にはテスト進出、2023年に本格進出する計画です。
ラピュタロボティクスは、ロボットソリューションを提供するだけでなく、ロボットをより効果的に、効率的に活用するためのプラットフォーム(複数台のロボットを効果的に動かすための頭脳のようなもの)の提供を目指しています。当社自身が提供するロボットのラインナップが増えると、それらのロボット同士がスムーズに連携しつつ、対応できる業務プロセスや荷物の種類が広がります。さらに、他社製のロボットやマテハンにも対応して、それらも連携させることができるようになっていきます。同じプラットフォーム、いわば同じ頭脳で全てのロボットやマテハンを最適に連携させて、生産性の高い業務プロセスを容易に構築することができる、このような姿に近づいていきます。
トラロジ
ありがとうございます。ロボットやマテハンがみんな簡単に連携する未来に、海外展開にと楽しみがてんこ盛りですね。今後の発展にますます期待しています!今回はありがとうございました。

編集後記

ラピュタロボティクスの森さんに、お忙しい中でかなりこってりとお話をうかがうことができて大変ありがたかったです。AMRについて、技術面で優れたソリューションであることはもちろんですが、それを業務にフィットさせていくカスタマーサクセスであったり、成果報酬型の導入プログラムであったりと、打ち手が本当に豊富で、組織としての充実ぶりを感じます。森さん以外にもラピュタロボティクスの方々にお会いしてお話していますが、皆さん、なんというかシュっとしてて優秀そう、なんですが、成果にコミットされている熱量も感じさせる、素敵な方々がそろっているという印象です!

AMRもそうですし、様々なロボットやマテハンが簡単に効率的に連携するというビジョンとなると更に、今後もっともっと成長するマーケットなので、その中でラピュタロボティクスさんがどう展開されていくか楽しみです。

また、アメリカへの進出も興味深いですね。(アメリカの物流現場の実情を詳しくは知らないんですが・・・😑おそらく)より緻密であろう日本で育ったソリューションは、アメリカではもっと大きな効果を発揮するかもしれません。人件費もアメリカの方が高いので、その意味でも効果が大きそうですね。アメリカでのご活躍もお祈りしたいと思います。

  • AMR
  • ピッキング
  • 物流ロボット
2022年総合物流展 ラピュタロボティクス ブース
トラロジの最新情報をチェックしよう!