XYZ Robotics株式会社は2025年9月25日、デバンニングロボット「RockyOne(ロッキーワン)」1台を株式会社オートバックスセブンの物流施設(兵庫県三木市)に10月より導入開始すると発表しました。丸紅ロジスティクスやサンワサプライに続く導入事例として注目されます。短期間で複数の導入事例が発表されており、好調さが伺えますね。

RockyOneは、コンテナやトラックからの荷積み・荷降ろしを自動化するロボットです。オートバックスセブンではコンテナからの荷降ろし、いわゆるデバンニングのために利用されます。自走式の本体とロボットアームを備えて、コンテナ内を移動しながらロボットアームで把持した荷物(段ボール)をコンベアに流して行きます。コンテナからのデバンニング作業は、肉体的な負担も大きくなりがちで、人手不足が課題になっています。デバンニングロボットの活用によってデバンニングを自動化することは、物流現場の労働力不足や作業効率向上への対応策として注目されています。
デバンニングロボットRockyOneの高度な技術仕様
今回導入されるRockyOneは、AIディープラーニングによる画像認識と、動作教示(ティーチング)不要のロボットモーションプランニング技術により自動で最適な動作を実現します。最大可搬重量30kg、箱1~4個の同時搬送が可能で、時間あたり400~1,200ケースの荷積み・荷降ろしに対応する高性能設計となっています。
独自のアルゴリズムによる積み付けプラン自動生成機能も搭載し、軽量化とコスト低減を実現しつつ、高速作業に必要な強度も保持している点が特徴です。
デバンニング・デパレタイズで活躍するロボット一挙に紹介した下記のトラロジ記事でも紹介しています。
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他社での導入実績と効果
2025年6月からの4ヶ月ほどの間に以下の3件の事例が発表されており、このオートバックスセブンで4件目になります。
サンワサプライでの実用化成果
2025年7月、SGシステム、XYZ Robotics、サンワサプライ(上海)の3社協業により、サンワサプライ東日本物流センター(千葉県)でRockyOneの本格運用が開始されました。大型荷物で320PPH、中型荷物で470PPHの高い処理性能を実現し、実用レベルでの効果を証明しています。
丸紅ロジスティクスでの効率向上
2025年6月に導入された丸紅ロジスティクスの茨城県つくばみらい市施設では、グローバルスポーツウェアブランド向けの大量貨物取り扱いにおいて40フィートハイキューブコンテナ1本の荷下ろし時間を1.5~2時間に短縮し、在庫回転率の加速とコスト削減を同時達成しています。
ニトリホールディングスでの実証実験
ニトリホールディングス、XYZ Robotics、ホームロジスティクスの共同実証実験(幸手DC、2025年6月実施)では、従来5~6名必要だったデバンニング作業を、ロボットと作業員3~4名で対応可能にし、作業人数削減と労災リスク低減を実現しました。
XYZ Roboticsのグローバル展開
XYZ Roboticsは2018年に中国・上海で設立され、2022年に日本法人を設立した国際企業です。中国、アメリカ、ドイツ、日本、韓国などで事業展開し、自律移動型ピッキングロボット「MMR(モバイルマニピュレーションロボット)」と関連ソフトウェアの開発を手がけています。
同社は物流施設内で最も過酷とされるトラックバース周辺の自動化を進めることで、作業効率向上、人手不足解消、コスト削減に加え、従業員満足度向上やCSR活動への貢献を目指しています。
物流自動化市場の今後
RockyOneの連続的な導入実績は、物流業界における荷役作業自動化の本格的な普及期到来を示しています。特に労働集約的なデバンニング作業の自動化は、人手不足対策として多くの企業が注目する領域であり、今後さらなる展開拡大が予想されます。
関連リンク
メーカー公式情報
- RockyOne製品情報(XYZ Robotics公式サイト)
- XYZ Robotics公式サイト
- 丸紅ロジスティクス導入事例(XYZ Robotics)
- SGシステム公式発表
- RockyOne紹介動画(メーカー公式)
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