SGシステム・XYZ Robotics、サンワサプライにAI搭載荷降ろしロボット「RockyOne」を本格導入

  • 2025年8月4日
SGホールディングスグループのSGシステムとXYZ Robotics、サンワサプライ上海法人の三社は、XYZ Roboticsが提供するAI搭載のデバンニングロボット「RockyOne」をサンワサプライ東日本物流センターに本格導入したことを発表しました。この導入は、この三社が2025年2月から開始した、物流ロボット導入に関する協業の第1号案件として注目を集めています。SGホールディングスグループの物流ネットワークとサンワサプライの販売チャネルを通じて、XYZ Roboticsのロボットソリューションを提供していきます。
コンテナから荷降ろしするRockyOne
出所:サンワサプライ株式会社

2024年の実証実験を経て、2025年4月からの本導入では、ロボットの高速化と運用の最適化により、大型荷物で320PPH(1時間あたり処理個数)、中型荷物で470PPHという高い処理性能を達成。これは従来の人手作業と比較して、重い荷物では1.5倍、軽い荷物でも同等以上の処理能力を実現しています。

RockyOne:次世代デバンニングロボットの革新技術

RockyOneは、XYZ Roboticsが開発したMMR(Mobile Manipulation Robot、自律移動型単腕ピッキングロボット)で、コンテナ荷降ろし作業の完全自動化を実現する先進的なソリューションです。デバンニング・デパレタイズで活躍するロボット一挙に紹介した下記トラロジ記事でも紹介しています。

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主要技術仕様

  • 対応範囲: 1辺の長さ150~800mm、重量30kgまで
  • 本体サイズ: 1400mm×1060mm、重量1200kg
  • 搭載技術: AMR(全方位移動架台)、産業用ロボットアーム、3Dカメラモジュール、独立制御吸着ハンド

AI搭載による高度な自動化機能

RockyOneの最大の特徴は、3Dビジョンシステムとスマートな画像認識アルゴリズムによる高度な自動化です。コンテナの手前から最奥部まで全ての荷物を効率的に自動荷降ろしでき、荷物の積み方が悪い場合や障害物でロボットが自動操作できない場合には、タブレット端末上に警告と対応方法が表示され、迅速な復旧が可能です。

RockyOneの導入実績と成功事例

RockyOneは、今回のサンワサプライでの導入以外にもここ数ヶ月で、いくつかの実証実験、導入事例があります。

ニトリホールディングスでの実証実験

ニトリホールディングス、XYZ Robotics、およびホームロジスティクスが共同で、幸手DCにおいて2025年6月からデバンニングロボット「RockyOne」の実証実験を開始しました。

従来は5~6名必要だったデバンニング作業を、ロボットと作業員3~4名で対応可能にし、作業人数の削減と労災リスクの低減に寄与しています。また、夜間の稼働も見込み、在庫補充の効率化およびバース回転率の向上も期待されています。

ニトリグループは年間15.5万TEU(1TEU=20フィートコンテナ1個)もの輸入コンテナを扱い、夏場の高温環境下での作業負担も大きいことから、今後のさらなる効率化・自動化推進に注目が集まっています。

丸紅ロジスティクスでの成功事例

XYZ Roboticsは2025年6月、丸紅ロジスティクスのアパレル物流にもデバンニングロボットを導入し、自動化を実現しています。同社では、慢性的な人手不足と高齢化、重量物取り扱いによる安全リスクといった物流業界共通の課題解決にRockyOneが大きく貢献しており、倉庫オペレーションの合理化とコスト削減を同時に実現しています。

XYZ Roboticsが同事例の動画を公開しており、RockyOneがどのように活躍するのかが、よくわかります。

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