物流不動産デベロッパーのプロロジスが、千葉県八千代市のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク八千代2」において、デバンニングロボット「RockyOne」(XYZ Robotics社製)などの自動化設備を施設オーナー自らの負担で導入し、入居企業に提供する取り組みを開始します。
ロボットを「建物インフラ」にするという発想

プロロジスパーク八千代2は、ノンブレース構造・免震構造・特別高圧受電など、自動化前提の「ロボットフレンドリー」な設計を採用したマルチテナント型物流施設です。
今回、施設オーナーであるプロロジスが、デバンニングロボット「RockyOne」やAMRや無人フォークリフトの移動に対応するインターフェース、垂直搬送機といった設備を自ら導入し、入居企業が利用できる仕組みを整備します。
一般的な賃貸倉庫では、専有部内の自動化投資はテナント個社の判断と負担に委ねられますが、本件では物流施設のオーナーが設備投資を負担して「共用部・建物インフラとしてのロボット」を提供する点が大きな特徴です。
なぜ「ロボット・自動化ソリューション」を物流施設オーナー設置するのか
デバンニングはほぼ全テナント共通のボトルネック
コンテナ内での荷下ろし(デバンニング)は、夏は高温、冬は低温と温度環境が厳しく、重量物も多く扱うため、作業者への身体的負荷が特に大きい工程です。作業のきつさが離職率上昇や人員確保難に直結し、入居企業にとって構造的なボトルネックとなってきました。
一方で「投資対効果が見えにくい」「利用時間が限定される」といった理由から、個社で専用ロボットを導入する決断までは至らないケースも少なくありません。
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オーナー設置の合理性
デバンニング工程は業種・アイテムにかかわらず発生するため、「テナント横断の共通ニーズ」が明確です。このような共通ニーズの高いロボットを施設側が一括導入し、複数テナントで利用できるようにすることで、以下のようなメリットが生まれます。
- テナント側:初期投資負担を抑えつつ、自動化のメリット(省人化・安全性向上)を享受できる
- オーナー側:付加価値の高いサービスを提供し、施設競争力・稼働率・賃料プレミアムの向上が期待できる
- 業界全体:自動化の導入ハードルが下がり、現場の働き方改革が進みやすくなる
RockyOneの位置づけ:最上流工程から下流自動化を後押し
RockyOneは、バンニング(積み込み)/デバンニング(荷下ろし)を自動化するロボットで、プロロジスパーク八千代2では1階に設置され、2026年2月以降、同フロア入居テナントが利用できるようになります。
コンテナからの荷下ろしという「最上流工程」が自動化されることで、その後の仕分け・保管・ピッキングなど下流工程の自動化・標準化もしやすくなります。「まず入口(入荷)をロボット化し、そこから先のDX・自動化を段階的に拡張していく」というロードマップを、施設側が主導して描いている点がポイントです。
ロボットフレンドリー施設としての八千代2
プロロジスパーク八千代2は、ロボットや大型機器の導入を前提に、構造・電力インフラ・動線設計が最適化された施設です。無人フォークリフトやAMRがフロア間を移動できるインターフェイスも備えており、縦搬送を含めた自動化の拡張性が高い設計となっています。ロボット本体だけでなく、「動ける空間」「電力」「縦移動」をパッケージとして提供することで、入居企業は自社のオペレーション設計により多くのリソースを割けるようになります。
ECフルフィルメント向け垂直搬送機の導入
4〜6階に入居するECフルフィルメント代行の株式会社STOCKCREWの専有部では、プロロジスが天井・床に開口を設ける大規模改修を行い、小口荷物向けの高出力垂直搬送機を複数台導入します。ランプウェイ付き施設では通常、各階にトラックが着車できるため、建物標準で垂直搬送機が備わらないケースが多い中、本件ではオーナー側が「縦搬送機能」というインフラを整えています。これにより、小ロット・高頻度出荷に対応した複層階ECオペレーションを構築し、効率性・機動性の両立とオペレーション標準化を図る狙いです。
経済産業省補助金採択
本事業は、プロロジス、STOCKCREW、代表荷主企業の三社連名で、経済産業省「令和6年度持続可能な物流効率化実証事業費補助金(物流効率化に資する連携実証事業)」に採択されています。補助金はSTOCKCREWが導入する自動化設備に活用されます。
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働き方・雇用課題へのインパクト
プロロジスの物流コンサルティングチームは、荷下ろし作業の負荷の高さがさまざまな業種で共通のボトルネックになっている点に着目し、自動化推進の第一歩としてデバンニングロボットの提供を決めています。
重労働の削減により、作業者の身体的負担を軽減し、離職率の低下や採用力向上が期待できます。ロボット導入による効率化だけでなく、「倉庫で働く人の環境改善」を重視している点は、持続可能な物流の観点からも重要なメッセージです。
関連リンク
- プレスリリース本文(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000159.000095695.html - プロロジスパーク八千代2(プロロジス公式)
https://www.prologis.co.jp/portfolio/kanto/yachiyo2 - XYZ Robotics「RockyOne」製品情報(公式サイト)
https://www.xyzrobotics.co.jp/rocky-mmr/rockyone
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