自在型自動倉庫「ラピュタASRS」/AIとNVIDIA技術を導入し、大幅に効率を向上

  • 2024年11月17日

NVIDIAがラピュタロボティクスが提供する自在型自動倉庫「ASRS」にNVIDIAのアクセラレーテッドコンピューティングを導入し、効率を大幅に向上させたと発表しました。

自在型自動倉庫「ラピュタASRS」

ラピュタASRSは、アンカー工事が不要で自由にレイアウトできる樹脂製フレームと荷物を収納するための「ビン」、「ビン」をリフトアップし荷物を運んで倉庫内を走行する小型薄型のロボット、ロボットのフロア間上下移動を可能とするエレベーターを使った自在型の自動倉庫です。

コンセプト動画

小型ロボットはNVIDIA Jetson Orin Nanoを搭載しエッジAI処理

ラピュタ「ASRS」のロボットとビン

自動倉庫内を自在に走行するロボットには、NVIDIA Jetson Orin Nanoモジュールが搭載され、カメラ画像をエッジAI処理(ロボット側で直接AI処理を行いより高速、正確な判断を実現)します。NVIDIA Jetson導入以前は、搭載されているAI処理能力が不足しており、ロボット側で処理を行うことができませんでした。現在はカメラ1台分の映像処理を実装していますが、処理能力にはまだ余裕があり、今後はフロントカメラとサイドカメラの両方の画像をリアルタイム処理することが可能であり、今後さらなる機能拡張を予定しています。

NVIDIA TensorRTによる高速推論

ラピュタロボティクスが独自開発した認識AIは、NVIDIA TensorRTを使用して、GPU上での推論処理を高速化しています。これにより、推論時間を大幅に短縮しています。なお、認識AIの学習プロセスでもNVIDIAのGPUを使用しています。

安全性と生産性の向上

ピッキングステーションでは、大画面モニタやプロジェクタから投影される光によって作業誘導が行われ、トレーニングを積んでいない作業者でもすぐに作業ができます。ここではステレオカメラと姿勢推定AIを搭載したNVIDIA Jetson Orin NXを使用して、作業者の安全を確保しつつ、生産性を向上させています。

今後の展望

ラピュタロボティクスは、自動倉庫「ラピュタASRS」だけでなく、自律移動ロボット「PA-AMR」や自動フォークリフト「ラピュタAFL」など、物流プロセス全体の自動化を目指しています。今後は、NVIDIA OmniverseとIsaac Simを活用し、デジタルツインによる一気通貫の効率化を実現することが期待されます。物流業界は、AIと先進的なロボット技術の導入により、大きな変革期を迎えています。ラピュタロボティクスの取り組みは、この変革を加速させ、より効率的で持続可能な物流システムの構築に貢献するでしょう。

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NVIDIAブログ
https://blogs.nvidia.co.jp/2024/11/13/ai-summit-japan-rapyuta-robotics/

 

 

 

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