株式会社Phoxterは、株式会社ファイントゥデイインダストリーズ(以下FTI)にパレット搬送用途にカスタマイズしたAMR(自動搬送車)を2025年に追加提供を予定していることを発表しました。
導入時期は2025年を予定しているとのことです。
FTIは、資生堂のパーソナルケア事業を行うファイントゥデイグループにおいて生産機能を担っており、fino、TSUBAKI、SENKAなどのパーソナルケア製品を生産し、原材料の供給から製品の出荷に至るまで多くの工程をオートメーション化しています。
Phoxter社は2023年にFTI社が従前利用していた有軌道台車(*2)に代わり、パレットコンベア付カスタムAMRを提供していました。
導入後、FTIはこれまでに以下の効果を確認しており、2025年に別のエリアにおいてパレットコンベア付カスタムAMRを追加で導入する予定となりました。
AMR導入による効果
1.搬送プロセスが中断するリスクの低減
有軌道台車は周回するレール上で運行されており、1つの台車が故障で停止すると、ライン全体も停止しなければならないため、全体の搬送プロセスが中断するリスクを抱えています。
これに対しAMRは誘導レールが存在しないため、故障した機体が発生しても後続車両は追い越し動作で作業を継続することができ、単一機体の故障がシステム全体の生産性を下げるリスクを低減できます。
2.柔軟な搬送ルートの設定による作業効率の向上
有軌道台車は、レールの配置によって移動経路が制限され、最適な動線を確保しづらい場合があります。
これに対しAMRは、複数のルートを最短経路で同時に搬送でき、混雑を回避しながら高効率で作業を進めることができます。これにより、同じ搬送量でも少ない搬送台車と時間で対応することができるようになります。
3.拡張性
有軌道台車は、敷設したレール上を周回する運用となるため、搬送経路の延伸や接続工程の追加などの拡張が難しい構造となっています。
これに対しAMRは、導入後の走行路の延伸や部分的に走行路を制限した工程の追加など自由にエリアを拡張/縮小することができるため、設備や生産計画の変更に柔軟に対応できます。
4.消費電力の低減、エネルギー効率の改善
有軌道台車は、生産量の多寡に依らずレール上に載ったすべての台車を駆動させ続ける必要があります。そのため、年間の生産計画のピークに合わせた台数を実装し、閑散期でもピーク時の搬送能力に必要な台車が走り続けることになります。
これに対しAMRは、生産量に応じて必要なAMRが配車されることでAMRの空転時間を抑制でき、需要に応じたエネルギー消費がみこめることから、CO2削減に大きく寄与するシステムとなります。
関連リンク
リリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000135061.html