ギークプラス/アズワン「九州DC」に最新GTPソリューション「PopPick」を導入 – ピッキング効率3倍向上、倉庫作業効率37%アップを実現

  • 2025年6月28日

株式会社ギークプラスは、アズワン株式会社が2025年6月に開設した九州エリア初の物流基幹センター「九州DC」に、最新Goods-to-Person(GTP)ソリューション「PopPick」を導入し、本格稼働を開始したと発表しました。

アズワン「九州DC」でのPopPick稼働現場
出所:ギークプラス

導入の背景と課題

アズワンは1962年の設立以来、「科学」・「医療」を中心とする理化学機器を1,200万点以上取り扱う総合卸・商社として事業を展開しています。同社では約20年前より自動倉庫の導入など物流DXに注力しており、2015年からECサイト「AXELショップ」を開設、わずか3年で商品点数が約10倍以上に拡大しました。

この急速な成長により、多品種・小ロット対応が求められるロングテールビジネスが加速し、倉庫内ロケーションの効率的な活用と作業効率の向上がより一層重要な課題となっていました。

PopPickの導入効果

今回のPopPick導入により、以下の大幅な効率向上を実現しています:

  • ピッキング効率:3倍以上向上

  • 倉庫全体の作業効率:37%向上

  • 2025年9月目標:1時間あたりのピッキング・出荷作業を40行から130行程度まで向上予定

PopPickの技術的特徴

高密度保管の実現

PopPickは防火シャッター直下を通過できる最大3.8メートルの高さの棚を使用し、コンテナ同士を2センチ間隔で配置することで、一般的な中軽量棚と比較して約2倍の棚保管効率を実現しています。

作業者の手元への自動搬送

従来の棚搬送型GTPソリューションでは作業効率が手作業の約3〜5倍になりますが、PopPickは対象コンテナを棚から自動で引き出し、作業員の手元まで搬送することで、さらなる作業生産性の向上を実現しています。

【トラロジ解説】物流自動化における当事例の位置づけ

※以下はトラロジ編集部による解説・分析です

GTP(Goods-to-Person)ソリューションの進化

PopPickは、GTP(Goods to Person)ソリューションの元祖である棚搬送ロボットの進化形として注目されている自動化ソリューションです。棚搬送ロボットよりも約1メートル高さがあるため、より高い保管効率を実現します。また、棚よりも小さなコンテナの単位でより緻密に荷物を管理・コントロールすることができます。

現代の物流ニーズ(多品種・小ロット)への対応

この技術は、特に多品種・小ロット対応が求められる現代の物流ニーズに適しており、EC化の進展とともに重要性が高まっているロングテールビジネスへの対応力を大幅に向上させます。PopPickは、コンテナという小さな単位で荷物を保管・管理し、ピッキング工程を自動化することができるため、多品種・小ロットのロングテールビジネスにおいては、歩行時間や荷物を探す時間が削減される効果が非常に大きくなります。まさに現代の物流ニーズに適した自動化ソリューションと言えます。

今後の展望

アズワンでは今回の九州DC導入を皮切りに、東北地区をはじめとする新拠点開発や、既存メインセンター「Smart DC(千葉県)」「阪神DC(兵庫県)」のさらなるパフォーマンス向上を通じ、2024年問題の解消と全体最適な物流体制の構築を進める計画です。

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