富士経済が次世代物流システム・サービス市場の調査資料を発表

  • 2024年11月21日

総合マーケティングビジネスの富士経済が、物流システム・サービス市場の調査結果「2024年版  次世代物流ビジネス・システムの実態と将来展望」を発表しました。2023年比で2024年見込みと2030年の市場を示しています。

市場調査の対象

調査対象の市場は、日本および日系企業の海外事業についての次世代物流システム・サービス全般で、ロボティクス・オートメーション、ロジスティクス・ファシリティ、ラストワンマイル、IoT(ハードウェア)、IoT(ソフトウェア)、サービスの6つの市場で、それぞれの市場の対象ソリューションは下記です。

ロボティクス・オートメーション

・AGV・アーム付AGV
・AMR(協働型ピッキング支援ロボット)
・棚搬送AGV(QRグリッド式)
・ACR(自動ケースハンドリングロボット)
・ソーティングロボットシステム
・AGF(無人フォークリフト)
・次世代物流ロボットシステム(デバンニングロボット含)
・物流向けアシストスーツ
・AGV用ワイヤレス給電システム
・屋外無人搬送車

ロジスティクス・ファシリティ

・デジタルピッキングシステム
・自動搬送・仕分けシステム
・立体自動倉庫システム
・回転棚
・電動式移動棚
・垂直搬送機
・ラベルプリンタ

ラストワンマイル

・宅配ボックス(戸建住宅向け)
・宅配ボックス(集合住宅、公共スペース向け)
・物流向けドローン
・無人宅配・配送ロボット

IoT(ハードウェア・ソリューション)

・スマートグラス
・ハンディターミナル
・自動運転トラック
・物流向け音声認識エンジン
・物流・流通向けRFIDソリューション

IoT(ソフトウェア・ソリューション)

・WMS(倉庫管理システム)
・TMS(配車計画支援システム)
・物流向けシミュレーションソフト
・バース管理システム
・輸配送見える化ソリューション
・倉庫内作業可視化システム

サービス

・RaaS(Robot as a Service)
・通販フルフィルメントサービス
・倉庫シェアリング
・求貨求車マッチングサービス
・パレットレンタルサービス

調査結果の概要

市場全体

次世代物流システム・サービス市場、2024年見込と2030年予測

次世代物流システム・サービス市場全体では、2024年見込が2023年比較で105.3%、7,542億円、2030年予測が同162.9%、1兆1,670億円に拡大する見通しです。

次世代物流ロボットシステム

次世代物流ロボットシステムの市場予測

ピッキング、パレタイジング、デパレタイジング、バンニング、デバンニングなどを行うロボットシステムを対象としたものです。2024年の国内市場は参入企業が増加しており、実証実験から本格導入に移行していることから拡大が予想されます。導入コストが高いため、コストメリットの高い24時間稼働の宅配、通販、食品などの物流施設などへの導入が進むと見られます。

屋外無人搬送車

屋外無人搬送車の市場予測、2023年比較、2024年見込と2030年予測データ

屋外での搬送や工場などの建屋間搬送に使用される、自律走行型のAGV(無人搬送車)を対象としたものです。

倉庫内でのAGVの認知度向上による導入の拡大により、工場の建屋間搬送や屋外の搬送においても、導入を検討する事業者が増加しています。今般の調査の中でも最も成長する分野となっています。

屋外の路面は、倉庫内のフラットな路面ではなく凸凹しており、降雨もあるため耐環境性が求められ、自動化が進まない分野でしたが、技術の進歩により走行性能の向上が進み、国内市場が拡大しています。トラロジNewsで紹介した悪路走行に強い球体駆動AMRのTriOrbもこの分野です。
https://toralogi.com/news-triorb-250millionyen-1401/

WMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)

WMSの市場予測。2023年比、2024年見込と2030年予測

在庫管理、入出庫管理を行うWMSを対象としています(ERPなどの統合マネジメントシステムに含まれるWMSは含まない)。

WES(Warehouse Execution System:倉庫実行システム)

WES(Warehouse Execution System)の市場予測

WESはWMSから出された業務指示に基づいて、(異なるWCSで制御された)複数の機器および作業者が適切に連携して動くよう、管理およびコントロールする役割を担います。

物流センターの新設が増え、自動化設備の導入が進んだことにより、市場が拡大しています。

バース管理システム

バース管理システムの市場予測

トラックの予約/受付、車両誘導、車両入退管理などを行うシステムを対象としています。

2024年問題を背景に生産性の向上や長時間労働の解消に向けた取り組みの活発化により、需要が高まっています。

2023年に市場が大きく拡大し、2024年も駆け込み需要により、市場が急拡大している。2025年以降は主要拠点への導入が落ち着くことで伸びが緩やかになっています。

関連リンク

富士経済プレスリリース
https://www.fuji-keizai.co.jp/press/detail.html?cid=24106

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