AmazonがアメリカのAIロボティクススタートアップのCovariantと商業契約を締結したことを2024年8月30日に発表しました。この契約により、Covariantの創業者でロボットAI権威のAbbeel氏を含む、スタッフ25%がAmazonに雇用されることとなります。
AIロボティクス スタートアップCovariantとは
Covariantの創業者はOpenAIの元研究者で、チャットボットの開発手法を用いて、ロボットを動かすソフトウェアであるRFM(Robot Foundation Model、ロボット基盤モデル)を開発しています。
RFMはChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)と同様に大量のテキストデータでトレーニングされます。大規模言語モデルとの違いは、ロボットの動態制御データ、カメラや各種センサーからの知覚データなどロボットにとって意味のあるあらゆるデータを学習データとしている点です。
このRFMにより、ロボットは自律的に周囲の状況を把握し、次に取るべき行動を決定する能力を持つことが目標です。従来のエンジニアがあらかじめ動作をプログラムする方式とは異なり、未知の状況にも柔軟に対応し、会話ベースで指示を受けられる汎用ロボットが実現します。その結果、倉庫内で商品のピックアップ、移動、仕分けなど、さまざまなタスクをこなせるロボットの開発を目指しています。
今後の展開
ご存知の通り、Amazonは倉庫内で大量の物流ロボットが稼働しています。OpenAI、Gemini、LlamaなどのLLMは学習のための大量のデータを必要としています。Amazonで稼働する大量のロボット群から得られるデータをCovariantが活用できることになると、RFMの開発が、加速度的に進むと考えられます。
関連リンク
Amazonのリリース
https://www.aboutamazon.com/news/company-news/amazon-covariant-ai-robots
Covariantサイト
https://covariant.ai/