株式会社Hacobuは、2024年11月1日より、輸送量の平準化を実現する生産・販売・在庫管理サービス「MOVO PSI」の提供を開始すると発表しました。このサービスは、メーカー、卸売業、小売業の企業間をつなぎ、PSI(Production, Sales, and Inventory)情報を管理・共有・分析するプラットフォームです。
MOVO PSIの機能と特徴
MOVO PSIは2つのAI(機械学習)モデルを搭載しています。1つ目が卸売業や小売業からの受注を予測し、在庫の変動を正確に把握します。2つ目は必要最低限の補充数量を毎日一定に保つため、膨大な組み合わせの中から最適なパターンを計算し、現場の実務を支援します。
これらのAIモデルにより、導入企業は以下のメリットを享受できます。
– 輸送コストの削減
– 在庫効率の向上
– 欠品率の低減
– 企業間を跨いだ連携による社会全体の輸送効率向上
実証実験と導入効果
キリンビバレッジとアサヒ飲料が、MOVO PSIのベータ版を用いた実証実験を実施し以下の成果をあげています。
キリンビバレッジの成果(2023年10月〜11月)
– 輸送コスト:約9.1%削減
– 在庫日数:約13.2%削減
アサヒ飲料の成果(2024年3月〜4月)
– 輸送コスト:約6.2%削減
– 在庫日数:約6.5%削減
今後の展望
キリンビバレッジとアサヒ飲料は、2025年春頃までに全VMI拠点※でMOVO PSIの導入完了を目指しています。
※Vender Managed Inventory:納入する側が納品先の在庫管理を実施する手法
MOVO PSIのようなソリューションの導入が進み社会全体に広がれば、フィジカルインターネットにおけるデマンドウェブを形成することができ「売れないものは作らない、運ばない」ということが可能になり、持続可能な物流インフラが実現するでしょう。今後、このテクノロジーが業界全体に広がることを期待します。
関連記事
Hacoboプレスリリース
https://hacobu.jp/news/12099/