ヒューマノイドロボットの活用を目指した産業プラットフォームを構築するINSOL-HIGHと、専門商社として「ものづくり」と「くらし」を支える山善が業務提携の締結を発表しました。日本初となる「ヒューマノイドロボットの社会実装」に向けた共同プロジェクトを推進し、物流業および製造業の自動化と、生産性向上を加速させることを目的としています。
INSOL-HIGH×山善
ヒューマノイドロボットが求められる背景
労働力不足が深刻化している一方で、物流や製造現場における業務は高度化しており、自動化のニーズが一層高まっています。既に様々なロボットソリューションが登場していますが、それらはいずれも「搬送」や「ピッキング」といった特定の領域において、大量に反復される作業に特化したもので、作業効率が高い反面、適用できる対象は限られていました。その対象にならない、柔軟な運用が必要な部分は人が行わざるを得ませんでしたが、ヒューマノイドロボットはこの部分も自動化できるソリューションとして期待を集めています。この期待を反映して、ヒューマノイドロボットによって“完全”自動化が実現される、という表現もよく見られるようになりました。
近年、ヒューマノイドロボットの技術革新が進み、実用段階のまさに直前に来ている段階と考えられます。世界でも日々、ヒューマノイドロボットについて様々なニュースが飛び交っています。
INSOL-HIGHと山善による業務提携の意義
ヒューマノイドロボットに関する技術力、物流および製造業界のノウハウ、そして販売ネットワークという、両社の強みを掛け合わせた展開が期待されます。
INSOL-HIGHの強み
- ヒューマノイドロボットシステムを開発
- ヒューマノイドロボットに対応したWES(Warehouse Execution System 倉庫実行システム)を構築
- 物流ノウハウが豊富で、倉庫自動化、物流DXの支援実績が多数。ベンダフリーの立場で最適なソリューションを提供
山善の強み
- ものづくりを支える商社であり、自らが製造も手掛け、また物流施設も保有するため製造・物流のノウハウが豊富
- 協働ロボットやAGVを活用した自動化提案ノウハウを保有
- 国内55、海外16事業所の販売ネットワーク
INSOL-HIGHと山善が目指す世界
物流・製造現場での本格運用を目指したWESとヒューマノイドロボットの統合
当初の取り組み内容は、INSOL-HIGHのWESとヒューマノイドロボットを統合して、日本初となる、倉庫・ 製造現場での本格運用を実現することです。ヒューマノイドロボットが対応できる業務タスクを増やし、自動化の範囲を広げていくことを目指します。国内でスタートしますが、将来的には海外への展開も想定されています。緻密さ、繊細さが求められる日本の現場で学習した成果を世界に広げられるか、期待が高まります🤩
具体的な取り組み内容は以下の3つです。
1. ヒューマノイドロボットの物流・製造業向け最適化
- 「移動」「物の把持」「柔軟な作業」が可能なヒューマノイドロボットを、実際の倉庫・工場で運用。
- INSOL-HIGHのWESと連携し、リアルタイムでタスクを最適化しながら、ピッキング・搬送・組立・検査業務を支援。
- AIを活用し、ロボットが現場で学習しながら作業効率を向上。
2. ヒューマノイド×WESの共同実証実験
- 山善の倉庫でヒューマノイドロボットの実証実験を実施。
- WMS・ロボット・IoTデバイスと連携し、人とロボットが協調する次世代オペレーションを構築。
- 日本初の「WES×ヒューマノイドロボット」による自動化モデルを確立。
3. 物流・製造業界への本格導入と事業拡大
2026年以降、全国の物流・製造現場へ展開、ヒューマノイドロボットによる生産性向上と最適化を目 指す
関連/参考リンク
INSOL-HIGH株式会社
https://insol-high.com/
INSOL-HIGHのリリース
https://insol-high.com/posts/hm20250090
株式会社山善
https://www.yamazen.co.jp/
参考動画
最後に参考として、倉庫内でヒューマノイドロボットが活用される様子の動画を紹介します。
アマゾンの倉庫でヒューマノイドロボット「Digit」が活用される様子
米Figure社のヒューマノイドロボットがコンベアラインを流れる荷物を仕分けする様子